Hyalorbilia sp. no.5

Hyalorbilia sp. no.5

Hyalorbilia sp. no.5
ヒアロルビリア属菌。10月1日撮影。

[特徴]
朽木上に群生する。子嚢盤はやや肉厚の皿状、径 0.8 mm. 程度まで、半透明乳白色からクリーム色でわずかに赤みを帯び、古い子実体は淡赤褐色になる。 縁は全縁あるいはかすかに波うち、外面は平滑、基部付近にはわずかに毛状菌糸が基質に向かって伸び、柄はほとんど無く、やや広く基質に固着する。-- 子嚢は円筒形、先端はやや平らでほとんど肥厚せず、ルゴール試薬に呈色しない。下半はわずかに細まり、基部は小さく2叉状になる。8胞子を生じ、ほぼ2列に見える。20-23 × 4.2-4.5 μm. -- 子嚢間に子嚢よりやや細い棒状の細胞があるが、未熟な子嚢と区別できず、側糸か判断が難しい。子実層はゼラチン状の被膜で合着する。-- 子嚢胞子は広紡錘形ないしレモン型で、時に一端がわずかに細長い。無色、薄壁、平滑、両端に小さな輝点状の内容物がある。2.8-3.4 × 1.7-2.0 μm. -- 托組織の詳細を確認できなかったが、髄層は径 15 μm. までのほぼ球形の細胞からなり、外皮細胞は矩形状、18 × 9 μm. 程度まで、無色、薄壁、周辺に向かって細くなり、縁附近では径 3-5 μm. 程度。 縁細胞はやや球状に膨らんで径 6 μm. まで、一様な無色の内容物がある。外面基部付近の表面細胞からは無色薄壁で隔壁のある径 2.8-3.6 μm. の毛状菌糸が基質に向かってまばらに伸びる。

[コメント]
広葉樹と思われる朽木の材部に発生していたもの。Baral et al. (2020) の検索表を最後まで進もうとすると Hyalorbilia ulicicola Baral & Priou に落ちるが、幾つかの特徴が異なる。

[参考文献]
Baral et al. (2020): Monograph of Orbiliomycetes (Ascomycota) based on vital taxonomy. pt. I + II. National Museum of Natural History Luxembourg, 1752 pp.

[初掲載日: 2025.01.10] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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