Hymenoscyphus? sp. no.10
Hymenoscyphus? sp. no.10.
水辺の落葉上のビョウタケ類。5月3日撮影。
[特徴]
流水脇の湿った落葉上に発生する。子嚢盤は肉厚な皿状からやや凸形になる。子実層面は乳白色。外面も同色。
柄はほとんど無く、肉質はかなり軟らかいがゼラチン質ではない。
子嚢は円筒形、8胞子を2列に生じる。頂孔はメルツァー液で青変する。102-126 × 8.5-9.2 μm. --
側糸は糸状、ほぼ上下同幅で隔壁は認めにくい。内容物は無色で一様、先端付近は不規則に屈曲するものが多い。径 1.5-2.5 μm. --
子嚢胞子は長卵形、やや左右不対称、無色薄壁。両端近くに細かな泡状内容物がある。10.8-14.3 × 3.3-5.1 μm. --
托髄層は絡み合い菌組織、径 15 μm. 程度の無色の菌糸からなるが 45 μm. までの球形や楕円形の細胞が混じる。
外皮層は数層の矩形菌組織で 25-37 × 12-18 μm. の無色薄壁の細胞よりなる。
表面には径 3-6 μm. の菌糸が走り、柄の特に基部付近では一部が立ち上がる。立ち上がる菌糸は隔壁があり 150 μm. 程度まで、先端は丸い。
[コメント]
モミの多い林内の半ば水に浸った落葉に発生していたものだが、モミの落葉からではなく柔らかな薄い樹種不明の落葉から生じている物が多い。
[初掲載: 2008.12.19]