Hymenoscyphus sp. no.8
Hymenoscyphus sp. no.8
ニセビョウタケ属菌。10月20日撮影。
[特徴]
広葉樹の落葉の主に裏面に発生し、葉脈に沿ってやや群生する事が多い。肉厚の倒円錐形で子実層面はほとんど平らか中央がやや盛り上がり、径 2.0-3.5 mm.、
全体やや透明感のある乳白色で表面は平滑。柄は太くて短く、時にほとんど座生状、基部付近はやや黒褐色を帯びる。全体が比較的軟らかい肉質で水っぽいが、ゼラチン質ではない。--
子嚢は円筒形、先端は肥厚し頂孔はメルツァー液で小さく青変するがやや弱い。基部にかぎ形構造は見られない。8胞子を初め一列に生じるが後には2列になって先に固まる。77-92 × 8.2-9.6 μm. --
側糸は糸状、基部付近に隔壁があり内容は無色。ほぼ上下同幅で径 2.0-2.5 μm. --
子嚢胞子は楕円形ないし長卵形で時に左右不対称、無色、薄壁、平滑、中央付近が少しくびれて繭状になる物も多い。大きな2油球が目立つ。12.0-14.8 × 3.4-5.2 μm. --
子実下層は径 3 μm. 程度の菌糸からなり、托組織髄層は径 10-15 μm. 程度のソーセージ形の薄壁細胞からなる絡み合い菌組織、
外皮層は厚さ 100 μm. 程度まで、径 10-15 μm. 程度のやや縦長で丸みを帯びた細胞からなり、縁部の細胞は棍棒状、長さ 20 μm. 程度になる。
柄基部の表面には径 2.5-5 μm. の黒褐色厚膜の多角形細胞の層があり、時に短い毛状になる。
[コメント]
アベマキと思われる落葉に発生していたもの。秋にコナラ属の落葉に発生していることが多い。
肉眼的にはオチバシロビョウタケ
(Hymenoscyphus immutalibis)
と良く似ているが、子実体基部が黒ずみ、子嚢胞子がやや大きく、大型の油球を含むこと等で区別できるように思えるので分けておく。
[別図2]
9月23日撮影。柄の基部は黒ずむ。
[初掲載日: 2007.04.23, 最終更新日: 2024.03.12] //
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