Hypocrea lixii

Hypocrea lixii

Hypocrea lixii Pat. = Hypocrea nigricans (Imai) Doi.?
ヒポクレア類 (カラスノボタン?)。11月13日撮影。

[特徴]
子座は単生ないし少数が群生する。やや薄いクッション形ないし円盤状、直径 1-4 mm.、厚さは 1 mm. 程度。 表面は暗緑褐色、子嚢殻の孔口が僅かに突出して暗色の点状に見える。下面はややくびれて広く基質に固着する。 肉質は比較的軟らかく、内部は白いが、基部付近はやや緑色がかる。-- 子嚢殻は子座の上面、表面下に一層に埋没して生じる。球形ないし広楕円形、直径 120-160 μm. -- 子嚢は円筒形、短柄があり、3.2-4.5 × 70-82 μm.、8胞子を一列に生じるが、子嚢内で上下2つに分かれて16個の部分胞子となる。-- 子嚢胞子は緑色で表面は粗い疣状。上半の部分胞子は亜球形、直径 3.4-4.0 μm.、下半の部分胞子は卵形あるいは砲弾形、3.0-3.6 × 3.5-4.5 μm. -- 子座表面はやや厚膜で緑褐色の径 10 μm. 程度の多角形の細胞よりなる。

[コメント]
コナラと思われる倒木上に発生した黄褐色の背着生のキノコの表面に発生していた物。 寄主の子実層中には褐色厚膜の剛毛体が見られるのでタバコウロコタケの仲間だろうが、種名は調べていない。 ヒポクレア類は似た種類が多く培養もしていないけれど、 H. lixii ( = H. nigricans) に良く合うと思う。

[参考文献]
Chaverri and Samuel (2002): Hypocrea lixii, the teleomorph of Trichoderma harzianum. (Mycological progress ; 1(3), p. 283-286)
Doi (1972): Revision of the Hypocreales with cultural observations. IV. The genus Hypocrea and its allies in Japan. (2) Enumeration of the species. (Bull. Nat. Sci. Mus. Tokyo ; 15(4), p. 649-751).

[初掲載日: 2012.02.20]