Hypoderma sp. no.12
Hypoderma sp. no.12
ヒポデルマ属菌。9月19日撮影。
[特徴]
落葉上に散生する。表裏両面に発生し、葉脈、葉柄上にも生じる。周囲には褐色の帯線が見られることがある。
子座はクチクラ下に生じ、細紡錘形から線形、黒色、上面中央にほぼ全長に亘る縦溝があり、湿時には開いて子実層が現れ、縁は灰色に縁どられる。子実層は肉眼では淡灰色に見える。0.8-2.5 × 0.25-0.4 mm. --
子嚢は細長い柄のある紡錘形で先端は小さく突出して乳頭状、ほとんど肥厚せず、メルツァー試薬に呈色しない。8胞子をほぼ2列、あるいは塊状に生じる。100-115 × 8.5-11.5 μm.(胞子部分は 50-65 μm.)--
側糸は糸状、無色、少なくとも上半では分岐せず、基部付近には隔壁が多い。先端に向かって僅かに細まり、先端は丸く、上半は緩やかに屈曲する。顕著な内容物は見られないが、所々に大きな液胞の様なものがある。径 1.2-2.5 μm. --
子嚢胞子は長紡錘形、無色、薄壁、平滑、中央部以外には泡状の内容物があり、全体に薄い被膜がある。20.5-23.2 × 3.4-3.7 μm. --
殻皮は黒褐色、厚膜、径 2-3 μm. 程度の多角形細胞からなる。殻皮の開口部には舌状細胞があり、径 2-2.5 μm. の淡褐色の細胞が長さ 11-15 μm. の柵状に並ぶ。--
子実体周辺には、微小な黒褐色点状の分生子殻が多数見られるが、詳細な構造を確認できていない。
[コメント]
タカノツメ (Gamblea innovans) の落葉に発生していたもの。良く似た菌が様々な植物の落葉上に発生するが、明瞭に区別できるものが少ないので、寄主ごとに分けておく。
[初掲載日: 2023.10.15] //
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