Hypoderma sp. no.14

Hypoderma sp. no.14
ヒポデルマ属菌。7月12日撮影。
[特徴]
落葉上に散生する。普通は裏面に発生する。子実体の周囲は脱色するが、帯線は不明瞭、あるいは僅かに茶褐色の細い帯線がある。
子座はクチクラ下に生じ、広楕円形、長径 0.5-1 mm. 程度、黒褐色、上面中央にほぼ全長に亘る縦溝があり、湿時には開いて子実層が現れる。子実層はルーペ下では灰色に見える。--
子嚢は細長い柄のある紡錘形、先端はほとんど肥厚せず、ルゴール試薬に呈色しない。8胞子をほぼ2列に生じる。102-115 × 10.8-12 μm. --
側糸は糸状、無色、下部に隔壁があり、基部付近で径 1.5-2 μm.、中ほどで径 1 μm. 程度、上半は緩やかに屈曲し、やや鞭状になる。--
子嚢胞子は長楕円形、無色、薄壁、平滑、14.0-14.9 × 2.6-3.6 μm.、2あるいは4個の油球が目立つ。被膜はほとんど確認できない。--
殻皮開口部には舌状細胞があり、径 2.5-3 μm. の隔壁のある細胞が柵状に並び、やや厚膜、わずかに淡褐色を帯びる。--
子実体の周囲には小型黒色点状の精子殻が見られる。
[コメント]
コバノミツバツツジ (Rhododendron reticulatum) の落葉に生じていたもの。
同じツツジ属ミツバツツジ節 (sect. Brachycalyx) の Rhododendron mariesii(シュジョウツツジ)の落葉上の菌として中国から記載された
Hypoderma rhododendri-mariesii Y.R. Lin & S.J. Wang は特徴がよく似ていると思う。
[参考文献]
林ほか (2004): 皮下盘菌属的两个新分类单元. (菌物学报 ; 23(1), p. 11-13).
[初掲載日: 2025.07.15] //
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