Hypoderma sp. no.4
Hypoderma sp. no.4
レモンエゴマ上のヒポデルマ菌。11月11日撮影。
[特徴]
枯茎上に散生する。子座はクチクラ下に発達し長楕円ないし太線状、上面は黒色で盛り上がり、中央には淡褐色に見える溝がある。
成熟すると溝に沿って烈開し、灰色の子実層を現す。1-4 × 0.3-0.5 mm. --
子嚢は長柄がある紡錘形、先端はやや円錐状に尖り、ほとんど肥厚せず、メルツァー試薬で呈色しない。
8胞子をほぼ2列ないし束状に生じる。108-154 × 11.0-14.0 μm. --
側糸は糸状、ほぼ上下同幅、少なくとも上半には隔壁は見られない。先端付近は時に分岐し、緩やかにカールする。内容はほぼ一様で無色。径 2.8-3.5 μm. 程度。--
子嚢胞子は両端の丸い長紡錘形で、無色薄壁。内容は泡状。無色の被膜に覆われ、その厚さは 1.5 μm. 程度。28.5-34.3 × 3.1-3.5 μm.
[コメント]
レモンエゴマ (Perilla frutescens v. citriodora) の枯茎に発生していた物。草本枯茎上に普通といわれる H. commune (Fr.) Duby は、
子嚢胞子が 18-20 × 4 μm. (Dennis, 1981) あるいは 18-24 × 3-4 μm. (Schmid, 1990) というから、別種だろう。
周辺にある小さな淡褐色点状のものは分生子殻と思われるが分生子を確認できなかった。
[参考文献]
Dennis (1981): British Ascomycetes. Rev. ed.
Schmid, I. and H. (1990): Ascomyceten im Bild. 1. Serie.
[初掲載: 2016.02.10]