Hypoderma sp. no.8
Hypoderma sp. no.8
ヒポデルマ属菌。9月29日撮影。
[特徴]
落葉のクチクラ下に生じ、子実体周辺部の落葉は白っぽく脱色し、黒色の細い帯線で囲まれるが、時にやや不明瞭。
子嚢盤は長楕円形、1.2 × 0.4 mm. 程度までになり、表面は黒色、平滑、上面中央にほぼ全長に亘る縦溝があり、成熟するとスリット状に裂開する。
開口部はやや灰色を帯びた褐色に縁どられる。子実層は外からはほとんど見えないが、ルーペ下では乳白色に見える。--
子嚢は紡錘形、薄壁、下半は尾状になって長く伸びる。頂孔はメルツァー試薬に呈色しない。8胞子を不規則な束状に生じる。57-78 × 6.8-8.5 μm. --
側糸は糸状、無色、隔壁があり基部付近で径 2. μm. 程度、先端付近は 1.2 μm. 程度で緩やかに曲がりくねる。--
子嚢胞子は長紡錘形、先端側はやや丸く、時に僅かに屈曲する。無色、薄壁、平滑、ほぼ一列に油球が並ぶ。被膜は殆んど認められない。20.6-23.5 × 2.2-2.8 μm. --
開口部には舌状細胞がある。径 2-2.5 μm. のほとんど無色の細胞が柵状に並び、最大で厚さ 20 μm. 程度になる。
[コメント]
ブナ (Fagus crenata) の落葉に発生していたもの。表面側、裏面側のどちらにも発生し、ブナ林では普通に見られる。画像左方にある黒色五角形のものは Coccomyces 属菌の古い子実体。
[初掲載日: 2020.05.01] //
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