Hypomyces sp. no.3
Hypomyces sp. no.3
ヒポミケス類。10月23日撮影。
[特徴]
イグチ類のキノコ上に発生する。
寄主全体が厚い灰白色のスビクルムに覆われ、子嚢殻は寄主の全表面に密に生じる。--
子嚢殻はやや細い洋梨形、頚部はスビクルム上に突出し、肉眼では暗褐色の粒状に見える。下半(菌糸に埋もれている部分)はやや淡色。400-520 × 170-250 μm.。
表面はほぼ多角形、径 2.5-8.0 μm. の細胞からなる。--
子嚢は円筒形、先端はやや平らになって厚膜、メルツァー試薬で呈色しない。8胞子を一列に生じる。163-175 × 5.7-6.6 μm. --
子嚢胞子は長紡錘形でわずかに左右不対称、無色(過熟時には淡褐色を帯びる)、表面は細かい疣状、下端から 1/4 あたりに隔壁があり2細胞、隔壁部は括れる。
両端には長さ 2.8-3.5 μm. の細円錐状の突起があり、先端はとがる。28.3-30.0(突起を含む)× 4.5-5.4 μm. --
分生子や厚膜胞子は観察できなかった。
[コメント]
落葉樹林内に発生していた物。寄主はイグチ類だが周辺にはイグチ類のキノコが生えておらず、種類は分からない。
Rogerson and Samuels (1989) の検索表では該当するものにたどり着けない。
[別図2]
拡大。同日撮影。
[参考文献]
Rogerson and Samuels (1989): Boleticolous species of Hypomyces. (Mycologia ; 81(3), p. 413-432).
[初掲載日: 2016.11.25]