Hypoxylon sp. no.2

Hypoxylon sp. no.2

Hypoxylon sp. no.2.
竹生のアカコブタケ属菌。1月25日撮影。

[特徴]
子嚢殻は基質表面に一層になって群生する。稈に沿って長円形に拡がり、幅 3-8 mm.、長さは数センチを超える事もある。 表面は赤褐色ないし赤さび色の不定形結晶状物質に覆われ、周辺部には僅かに薄い台状の子座がある。KOH水溶液中で淡黄褐色ないし蜜色の色素を溶出する。-- 子嚢殻はほぼ球形、径 0.2-0.25 mm.、頂孔は小さく、くぼんで見える。-- 子嚢の全長は確認できなかったが、円筒形、8胞子を一列に生じ、先端リングは幅広く、メルツァー試薬で青変する。-- 側糸は明瞭には確認できなかった。-- 子嚢胞子は楕円形、左右不対称、下半はやや細まる。褐色、平滑。内容物は最初2油球が目立つが、後には不明瞭になる。 凸側に全長よりわずかに短い直線状の発芽スリットがある。8.6-10.8 × 3.4-5.4 μm.

[コメント]
地上の枯れた竹稈(メダケ類か?)に発生していた物。タケやササ類の枯稈に発生しているのをよく見る。 Hino (1961) にリストアップされている竹生の Hypoxylon 属の5種の中で、 子嚢胞子の計測値がいくらか近い種は H. fuscopurpureum (10.4-13.0 × 4.9-6.3 μm.) だが、 Ju and Rogers (1996) によるとこの種は主に樹材生の様である。 同文献の検索表でたどり着く Hypoxylon pilgerianum Henn. は、竹類生という特徴も含めて一致する点が多い。

[参考文献]
Hino (1961): Icones fungorum bambusicolorum Japonicorum.
Ju and Rogers (1996): A revision of the genus Hypoxylon. (The Mycological Socieity of America Micologia memoir ; no. 20).

[初掲載日: 2015.02.20]