Iodophanus testaceus
Iodophanus testaceus (Moug. ex Fr.) Korf
腐朽した植物質に生じる小型のチャワンタケ類。7月28日撮影。
[特徴]
子嚢盤は無柄で凸レンズ形やクッション形などでピンク色。直径 1-2 mm. 程度。
子実層面は最初は平滑だが成熟すると子嚢が突出するためややざらついて見える。
基部付近にはわずかに白色菌糸が広がる。
子嚢は広棍棒形で先端は平らになるものが多い。8胞子を生じ、先端付近にやや不規則な二列に固まる。
子嚢壁はメルツァー試薬で全体が薄青色に染まる。148-194 × 22.0-26.0 μm.
側糸は糸状、隔壁がある。径 2.5-3.0 μm. 先端は膨らんで 7.0 μm. 程度までになる。内容物はわずかに赤みを帯びる。
子嚢胞子は広楕円形でほとんど無色。17.1-18.6 × 11.0-12.8 μm. 顕著な内容物は見られない。
未熟な胞子は厚膜で平滑だが成熟胞子は表面が細かな粒状の外被膜で覆われる。
古畳に群生していたもの。
糞生の Iodophanus carneus とほとんど区別できず、同種とする文献もある。
腐食質などの糞以外の基質に生じるものを I. testaceus としておく。
[参考文献]
Kimbrough, Luck-Allen and Cain (1969): Iodophanus, the Pezizeae segregate of Ascophanus (Pezizales). (American journal of botany ; 56, p. 1187-1202)