Kretzschmaria deusta
Kretzschmaria deusta (Hoffm.: Fr.) Martin = Ustulina deusta (Hoffm.: Fr.) Lind.
オオミコブタケ。9月30日撮影。
[特徴]
子座は材上に表在する。薄いかさぶた状で不規則な雲形に拡がり、径 1-2 cm. から数 cm. になり、さらに融合して掌大程度になる。厚さは 2-3 mm. 程度。
表面は黒褐色、ほぼ平滑だが所々に割れ目があることが多い。全体が炭質で脆く下面中心付近で基質にやや広く固着するがはがれやすい。
子座内部は始めは白色で柔らかい木質だが後には黒くなりさらには空洞になる。表面に子嚢殻口孔が僅かに突出する。--
子嚢殻は一層に形成され、楕円形、1300 × 900 μm. 程度。--
子嚢は円筒形で下半は細長く伸びて柄状、8胞子を一列に生じ 240-360 × 7.0-11.5 μm.、頂環はメルツァー液で青変し、壷状で大型。--
側糸は鞭状、基部付近には隔壁があり径 8 μm. 程度、先端は細くなり 1-2 μm. 程度。--
子嚢胞子は左右不対称な紡錘形、両端は時に乳頭状になる。黒褐色で平滑、未熟時には 2-3 個の油球が目立つ。
30.4-37.2 × 8.0-9.2 μm.、側面の平らな側に全長の7割程度の直線状の発芽スリットがある。
[コメント]
朽ちた切り株(ブナ科と思われる)に発生していた物。広葉樹の倒木などに発生するほか、生木の根際にも発生して立枯れを起こすという。
ほぼ年中見られるが内部が空洞になり子嚢などが確認できない物も多い。
[参考文献]
Rogers and Ju (1998): The genus Kretzschmaria. (Mycotaxon ; 68, p. 345-393).
[初掲載: 2009.10.30]