Lachnellula sp. no.2

Lachnellula sp. no.2

Lachnellula sp. no.2.
ヒナノチャワンタケモドキ属菌。5月9日撮影。

[特徴]
子実体は樹皮上に単生あるいは少数が群生する。子嚢盤は浅い椀状からほとんど平らに開くが縁はやや内側に曲がる。直径 1-1.5 mm. 程度。 子実層面は淡黄色、外面は白色で同色の毛に覆われる。柄は中心生で細く、外面は白色毛状。 古い子実体の縁部から小さい子実体が数個程度発生する事がある。-- 子嚢は円筒形、8胞子をほぼ一列に生じる。頂孔はメルツァー液で呈色せず、基部は2叉状になる。32-43 × 3.4-4.0 μm. -- 側糸は糸状、先端はやや尖り、子嚢より 5-8 μm. 程度突出する。隔壁は少なく、僅かに黄色を帯びる内容物がある。直径 1.8 μm. 程度まで。-- 子嚢胞子は広楕円形、無色薄壁。2.2-2.6 × 1.8-2.2 μm.、小さな油滴が一個、やや偏在する。-- 托組織髄層は絡み合い菌組織、外皮層は矩形菌組織からなり、ともに無色。外皮層はややゼラチン化しているように見える。 柄の組織はメルツァー液でやや赤変する部分がある。-- 外面の毛は表面から生じる。無色、やや厚膜で隔壁があり先端は丸く、全体が粗面。直径 2.8-3.8 μm.、長さは 75 μm. になる。

[コメント]
モミの生木の幹上、目の高さあたりに発生していた物。 全体の特徴は Lachnellula resinaria (Cooke & Phill.) Rehm var. calycina (Sacc.) Baral に近いと思うが、これはマツ属の樹皮上に発生するものらしい。

[参考文献]
Baral and Matheis (2000): Über sechs selten berichtete weißhaarige Arten des Gattung Lachnellula (Leotiales). (Zeitschrift für Mykologie ; 66(1), p. 45-78)

[初掲載: 2009.09.25]