Lachnum sp. no.11
Lachnum sp. no.11.
ヒナノチャワンタケ属菌。5月8日撮影。
[特徴]
子実体は少数が群生する。子嚢盤は初め球形、後に浅い皿状に開き直径 2 mm. までになるが、縁は内屈する。
子実層面は白色、平滑。外面も白色で同色の微毛に覆われる。子実体は傷をつけると速やかに黄変する。
柄も白色、同様の毛で覆われる。比較的短く、子嚢盤の直径よりも短い。--
子嚢は円筒形、先端は円錐形に尖って肥厚し、頂孔はメルツァー液で青変する。8胞子を2列に生じる。48-6-57.5 × 4.5-5.8 μm. --
側糸は細槍状、無色薄壁。基部には隔壁がある。先端は尖り、子実層より 10-15 μm. 程突出する。57-72 × 3.7-5.2 μm. --
子嚢胞子は長楕円形、無色平滑、顕著な内容物は認めにくい。8.5-11.4 × 1.4-1.7 μm. --
托髄層は絡み合い菌組織、外皮層は矩形菌組織からなり、最外層の細胞から毛を生じる。
毛は直線状で無色、薄壁、少数の隔壁があり外面は全体に細かい無色の顆粒をつけて粗面。内容物はメルツァー液で赤褐色になる。
直径 4.5-5.2 μm.、先端は丸くなるが膨らまない。全長 74-86 μm. になる。
[コメント]
湿った地上の不明樹種の枯枝に発生していた物。
Lachnum virgineum (と私が思っている物)と見た目は殆んど区別できないが、傷をつけると黄変する。
顕微鏡的にもよく似ているが、外面の毛がやや太く、先端が膨らまない点、胞子がやや長い点などから、別種だろうと思う。
[初掲載日: 2010.07.07]