Lachnum sp. no.21
Lachnum sp. no.21
ヒナノチャワンタケ属菌。2月21日撮影。
[特徴]
子実体は群生する。子嚢盤は椀状からほぼ平らに開き、径 1-3 mm.、子実層面は白色、平滑、縁はほぼ全縁で微毛状、外面も微毛状白色、柄は比較的細く、長いものでは 3 mm. を超える。
古い子実体は淡赤褐色を帯びる。--
子嚢は棍棒形、先端はやや円錐状で肥厚し、頂孔はメルツァー試薬で青変する。基部にはかぎ形構造があるように見える。8胞子を2列に生じる。40-52 × 4.2-5 μm. --
側糸は細い槍形、先端はやや丸く、子実層より 10 μm. 程度まで突出し、少量の油球状の内容物がある。最大径 2.8-3.5 μm. --
子嚢胞子は細楕円形ないし細卵形、無色、薄壁、平滑、顕著な内容物は見られない。5.4-8.5 × 1.6-2.2 μm. --
托組織の詳細を観察できていないが、外皮層は矩形状の細胞からなり、表面細胞から毛状菌糸が立ち上がる。
毛状菌糸は無色、薄壁、隔壁があり、少量の油球を含み、表面は全体が細かい疣状。先端は丸く、ほとんど膨らまない。径 3.5-5 μm.、最大長は 50 μm. 程度。
[コメント]
おそらく広葉樹と思われる湿った朽木の下面に群生していたもの。冬期、1月から2月に採集している。
最初は Lachnum pygmaeum (Fr.) Bresadola としていたが、どうやら別種と思われるので不明種扱いにした。
Lachnum impudicum Baral あたりが近いように思うが、近似種(例えば Lachnum pubescens (Rehm) Svrček 等)との区別がよく判らない。
[参考文献]
Suková (2005): A revision of selected material of lignicolous Lachnum species from the Czech Republic with a note on graminicolous material of the Lachnum pygmaeum complex. (Czech mycology ; 57(3-4), p. 183-219).
White (1942): Studies in the genus Helotium - II. Lachnum pygmaeum and the status of the genus Helolachnum. (American midland naturalist ; 28, p. 512-523).
長尾 (2001): 自然教育園に発生した盤菌綱菌類. (自然教育園報告 ; 33, p. 31-39).
[最終更新日: 2023.10.20] //
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