Lanzia sp. no.3

Lanzia sp. no.3
 ミズキの葉柄に生じるキンカクキン類。９月１４日撮影。

 [特徴]
 子実体は有柄、黒くなった葉柄から少数発生する。浅い椀形ないし平らな皿形。直径 2-6 mm.
 子実層面は淡い蜜色ないしベージュ色、外面はほとんど同色で平滑だがルーペ下では微毛状に見える。
 柄は細く径 1mm. 程度で長さ数ミリ程度。基部付近は黒っぽい。
 子嚢は円筒形、８胞子をほぼ一列に生じるが後に２列になる。頂孔は I+。88-97 × 8.5-9.2 μm.
 側糸は糸状で無色。上下ほぼ同幅、径 2.0-2.5 μm.
 子嚢胞子は長卵形でやや左右不対称。無色薄壁、１油球を含むものが多い。10.8-11.5 × 4.8-5.2 μm.
 托髄層は絡み合い菌組織、外被層はやや黄色味を帯びる矩形菌組織よりなり、
 表面には黄色の内容物がある径 2-3 μm. の菌糸がある。

 寄主の主軸だけになった植物遺体は折るとクモの糸状の白い繊維を引き、ミズキ (Cornus controversa) の特徴と一致する。
 実際、近くにはミズキがあり、落葉も多かった。
 托組織の様子などから、キンカクキン類、Lanzia 属の種だと思う。