Lanzia? sp. no.4
Lanzia? sp. no.4
落葉生のキンカクキン類。7月8日撮影。
[特徴]
子実体は落葉の葉脈に沿って黒く線状に発達しやや盛り上がった子座から生じる。
子座は幅 1 mm. × 数 mm. 程度、融合して網状になる事もある。断面を見ると内部は材木色に見える。
子嚢盤は有柄皿形、ややオリーブ色を帯びた黄色から黄褐色。縁は全縁、やや濃色に縁取られる。直径 2-4 mm.
外面もほぼ同色で平滑。柄は細く普通は短いが長いものは 1 cm. 程度にまでなる。基部付近は黒ずむ。肉は淡黄褐色。
子嚢は円筒形、8胞子をほぼ2列に生じる。頂孔は I+。60-80 × 6.8-8.6 μm.
側糸は糸状、無色。径 1.0-1.5 μm. 程度、隔壁は認めにくい。先端はわずかに膨らむ。
子嚢胞子は楕円ないし広卵形で無色、やや左右不対称。比較的大型の油球を二つ含む。8.5-9.8 × 3.4-4.0 μm.
托髄層は絡み合い菌組織、外被層は数層の矩形菌組織で最外層には寝た菌糸があり先端は斜めに立ち上がる。
菌糸はほぼ無色薄壁、径 4-5 μm.で立ち上がる部分は 40 μm. までになり先端はやや丸く膨らんで 8 μm. 程度になる。
隔壁は少数で全体に小さな黄褐色不定形の顆粒をまばらにつける。
子嚢盤縁部の細胞は電球形、25-30 × 7-10 μm. でやや濃い色をしている。
広葉樹林内の湿った地上で見つけたもの。寄主の種類は不明だが両面とも無毛、肉は薄く葉柄は比較的長い。
周辺で集めた落葉のなかで一番似ているのはウリカエデ (Acer crataegifolium) である。
子実体の組織は髄層も外被層もゼラチン化しているようには見えない。一応 Lanzia 属の不明菌としておく。