Lanzia sp. no.7

Lanzia sp. no.7

Lanzia sp. no.7
ランツィア属菌。7月13日撮影。

[特徴]
落葉の葉脈上あるいは葉脈に沿って単生ないし少数がやや固まって生じる。子実体周辺の葉脈は黒褐色になり、子座化しているように見える。 子嚢盤は有柄、皿状からほぼ平開し、径 2 mm まで。子実層面は淡褐色、縁は全縁、小さく盛り上がりやや濃色に縁どられる。 外面は淡褐色でわずかにフケ状、柄は比較的長く、表面はフケ状ないし小鱗片状、基部に向かって濃色になり、基部は黒褐色になる。-- 子嚢は円筒形、先端は肥厚し、頂孔はルゴール試薬で青変し、基部にはかぎ形構造がある。8胞子をほぼ2列に生じる。48-57 × 5.4-6 μm. -- 側糸は糸状でほぼ上下同幅、無色、隔壁があり、径 2-2.3 μm. -- 子嚢胞子は楕円形で時にわずかに左右不対称、両端はやや尖り、無色、薄壁、平滑、比較的大型の2油球がめだつ。7.2-9.2 × 2.2-3 μm. -- 子実下層は黄褐色を帯びる。托組織髄層は無色薄壁の径 4-8 μm の長ソーセージ状の菌糸からなる絡み合い菌糸組織で、外皮層との境界付近ではやや細く、ほぼ平行に並ぶ。 外皮層は厚さ 40-50 μm、やや丸みのある僅かに黄褐色を帯びた 28-55 × 11-17 μm 程度の細胞からなる。 縁部の細胞は棍棒形、淡黄褐色、8-12 × 5-7 μm、時に房状になる。組織にゼラチン質の部分は見られない。 托外面には径 5-8 μm の菌糸が走る。ほぼ無色、時に淡黄褐色の内容物があり、隔壁部はわずかに括れ、表面には黄褐色の顆粒状物質が部分的にまだら状あるいは帯状に付着する。 先端の細胞は僅かに膨らんで棍棒状になり、斜めに立ち上がるものが多い。

[コメント]
庭園内の落葉に生じていたもの。葉柄には一対の腺点があるのでサクラ類 (Prunus sp.) の葉だとわかる。近くにはソメイヨシノや、いくつかのヤマザクラ類が植栽されていた。 Lanzia 属の菌だろう。Zhao and Hosoya (2015) で報告された Lanzia pruni-serotinae (Whetzel & W.L. White) M.P. Sharma & R.M. Sharma(サクラバチャイロビョウタケ)は子嚢が 60-75 × 6-8 μm で長め、子嚢胞子が 6-9 × 3-4.5 μm で太めだが、特徴は似ている。

[参考文献]
White (1941): A monograph of the genus Rutstroemia (Discomycetes). (Lloydia ; 4(3), p. 153-240).
Zhao and Hosoya (2015): Enumeration of remarkable Japanese discomycetes (9): notes on two Lanzia species new to Japan. (Bulletin of the National Museum of Nature and Science. Ser. B, Botany ; 41(4), p. 137-145).

[初掲載日: 2026.02.05] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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