Lasiobolus sp. no.1
Lasiobolus sp. no.1
糞生の小型のチャワンタケ類。2月15日撮影。
[特徴]
子嚢盤は糞上にまばらに発生する。倒円錐形、全体乳白色ないし淡黄色。直径 400-700 μm.
外面には基部付近から下半にかけて無色透明の剛毛が 30本程度生えている。
子嚢は円筒形、先端はやや平らになる。8胞子を一列に生じるが、のちには部分的に 2列になる。245-286 × 18.4-20.6 μm.
側糸は糸状で無色、隔壁はやや多く先端付近で分岐する。径 1.5-2.0 μm. 先端はマッチ棒状に膨らみ、3.5 μm. 程度になる。
子嚢胞子は長楕円形、無色平滑、目だった油球などはない。21.1-23.2 × 8.2-8.8 μm.
射出された胞子には不完全な無色の皮膜状物が付着していることがある。皮膜の表面は粒状にざらついた感じである。
表面の剛毛は表面の細胞から生じ、無色厚膜で平滑、隔壁は無く先端はとがり、基部は膨らむ。
上半のものは比較的長く、500-600 μm. までになり、基部で直径 35 μm. 程度まで。
シカの糞を湿らせて室内で発生させたもの。
子嚢胞子が比較的細長く、Lasiobolus macrotrichus Rea に近い種だと思う。
[参考文献]
Bezerra and Kimbrough (1975): The genus Lasiobolus (Pezizales, Ascomycetes). (Canadian journal of botany ; 53, p. 1206-1229)