Lasiosphaeris hirsuta
Lasiosphaeris hirsuta (Fr.: Fr.) Miller & Huhndorf
ラシオスパエリス属菌。12月20日撮影。
[特徴]
子嚢殻は表在性、朽木上に群生する。広楕円形から卵形、ほぼ黒色で表面は粗くざらついた感じでほぼ全体に剛毛を生じる。
上部は丸く孔口は目立たない。520-600 × 420-520 μm. --
子嚢は細い紡錘形、長い柄があり8胞子を不規則な2列に生じる。
先端リングは二つの点状に見え、すぐ下に径 3 μm. 程度の小球体がある。230-265 × 14-20 μm. --
無色で繊細な側糸状のものが多数見える。--
子嚢胞子は短いミミズ状、初めは無色薄壁、後にやや厚膜で淡褐色になる。全体が緩やかに屈曲し、下半 1/4 のあたりで鈍角に折れ曲がる。
ほぼ一列に油球を含み(中心に空隙がある) 60-72 × 4-6 μm.。両端に長さ 15 μm. までの鞭状ゼラチン質の付属糸があるが脱落しやすい。
後に横にほぼ等間隔に 7 隔壁を生じ、さらに各細胞からとっくり形のフィアライドを生じる。フィアライドは 7-12 × 2.8-3.5 μm.。
周囲には球形、径 1.5-1.8 μm. の分生子らしい物が多数観察できる。--
子嚢殻壁は黒褐色で厚膜、径 15-30 μm. の多角形細胞からなる。剛毛は表面から生じる。数本が束状に生じる物が多い。
直線的、厚膜、隔壁があり普通は分岐せず長さ 200 μm. までになり基部付近で径 6 μm. 程度、先端はやや尖る。
[コメント]
コナラやクヌギなどの広葉樹の軟らかく朽ちた材部に群生する。従来の Lasiosphaeria は最近数属に分割されたようだ。
[参考文献]
Ellis and Ellis (1997): Microfungi on land plants : an identification handbook.
Miller and Huhndorf (2004): A natural classification of Lasiosphaeria based on nuclear LSU rDNA sequence. (Mycological research ; 108(1), p. 26-34).
[初掲載: 2009.01.26]