Lembosina nipponica

Lembosina nipponica Katumoto
ウバメガシ褐斑病菌。5月27日撮影。
[特徴]
病斑は葉の表側に形成され、散生、不整円形、わずかに盛り上がって薄いかさぶた状、時に融合し径 5 mm. 程度まで、黒褐色、縁は明瞭でやや鋸歯状。
表側は中央付近が灰色を帯び、子嚢子座が散生する。葉裏面もわずかに褐変する。
表生菌糸は子嚢果周辺にまばらに拡がり、褐色、厚膜、平滑、隔壁と分岐があり、径 2.5-3.5 μm.、菌足は見られない。
子嚢子座は葉表面に生じ、扁平な楯型で長楕円形、時に分岐してY字、あるいはX字状になり、黒褐色、350 × 150 μm. までになる。
子座表面は褐色厚膜で隔壁の多い菌糸がほぼ放射状に並び、成熟すると上面中央が線状に裂開して子実層が現れる。--
子嚢は楕円形、厚膜、先端は肥厚し、頂孔は盲管状、ルゴール試薬に呈色せず、無柄あるいは短い柄がある。8胞子をほぼ2列に生じる。34.2-37.2 × 11.5-17.2 μm. --
側糸様細胞は糸状、無色、径 1.5-2 μm.、先端はやや膨らんで 3 μm. までになる。子実上層には微砂状の褐色の物質が付着する。--
子嚢胞子は楕円形、無色のち淡褐色、薄壁、平滑、ほぼ中央に隔壁があり2細胞、末端側の細胞が僅かに細く長い。
隔壁部は僅かに括れ、内容物は泡状、あるいは両細胞には大きな1油球が目立つものが多い。14-16.6 × 5.2-6 μm.、全体に薄いゼラチン状の被膜があり、末端側は時に厚くなる。--
寄主表皮下には褐色の細胞からなる子座様組織が薄く拡がる。
[コメント]
ウバメガシ (Quercus phillyreoides) の新しい落葉に発生していたもの。
子嚢胞子の計測値は Katumoto (1975) の記載 (10-14.5 × 3-3.5 μm.) より大きい。
国内で記録のある Lembosina 属菌はこれだけなので、この学名で整理しておく。
[参考文献]
Katumoto (1975): The Hemisphaeriales in Japan. (山口大学農学部学術報告 ; 26, p. 45-122).
Müller and von Arx (1962): Die Gattungen der didymosporen Pyrenomyceten. (Beiträge zur Kryptogamenflora der Schweiz ; 11(2), p. 1-922).
[初掲載日: 2026.01.15] //
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