Lophodermium sp. no.11
Lophodermium sp. no.11.
ロフォデルミウム属菌。10月20日撮影。
[特徴]
落葉上に散生する。普通は表面側に生じるが裏面にも生じる。子実体周辺は白く脱色し、隣接するコロニー間には比較的明瞭な黒く細い帯線がある。
子実体は表皮細胞中に発達し、両端のやや丸い紡錘形ないし長楕円形で 1 × 0.3 mm. 程度まで、殻皮は黒色、つやは無く、上面中央が長軸方向にスリット状に開口し、子実層が現れる。
子実層面は肉眼では暗灰色に見え、開口部の縁部は縁どられない。--
子嚢は細い柄のある紡錘形、先端は丸く、ほとんど肥厚せず、メルツァー試薬に呈色しない。8胞子を束状に生じる。97-145 × 5.2-7.8 μm. --
側糸は糸状、隔壁があり、径 1.5-2.0 μm. 程度、先端付近で分岐して曲がりくねり、所々結節状に膨らんで径 3 μm. 程度になり、時に不規則な数珠状になる。--
子嚢胞子は糸状、無色、薄壁、平滑、上端は丸く、下端はやや細まって尖る。射出された子嚢胞子は弓状になり、明瞭な被膜は認めにくい。71-80 × 0.8-1.0 μm. --
子嚢盤下部には褐色厚膜、径 5-6 μm. 程度の多角形細胞の層がある。舌状細胞は認められない。--
周囲には小さな黒点状の分生子殻と思われるものが散在し、帯線付近に多くみられるが、詳細な構造や分生子を確認できていない。
[コメント]
ツブラジイ (Castanopsis cuspidata) の落葉に発生していたもの。シイ属に生じるものに L. circinatum Li Chen bis & Y.R. Lin 等があるが、どれとも異なると思う。
[別図2]
同日撮影。帯線の外、右下の淡灰色円盤状のものは Coccomyces 属菌。
[参考文献]
Chen et al. (2013): Two new species of Rhytismataceae on fagaceous trees from Anhui, China. (Mycotaxon ; 126, p. 109-120).
[初掲載日: 2021.02.26] //
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