Lophodermium sp. no.2
Lophodermium sp. no.2
ツバキの落葉に生じるロフォデルミウム属菌。8月7日撮影。
[特徴]
ツバキ(Camellia japonica)の落葉に生じる。直径数 mm. から1cm. 程度の不定形に漂白された部分に群生する。
両面に発生するが裏面に比較的多いようである。
表面は黒色でややつやがあり、長楕円形で少し盛り上がる。長径 0.5-0.8 mm., 短径 0.2-0.3 mm. 程度で中央にスリット状の溝があり、
成熟すると溝に沿って裂開して子実層を現す。
子嚢は円筒形、ヨード反応は無く、8胞子を束状に生じる。100-115 × 5.8-7.2 μm.
側糸は鞭状、子嚢とほぼ同長ないしわずかに長い。基部付近で径 2.0 μm. 程度で先端に向かうにつれて細くなり、隔壁は認めにくい。
子嚢胞子は糸状、隔壁は無い。85-92 × 1 μm.、先端から 10-14 μm. 程度の所で鈍角に折れ曲がるものが多い。末端はやや細まって尖る。
被膜はほとんど認められない。
[コメント]
ツバキ落葉上の漂白部分に Coccomyces sp. 等とともに発生する。
「植物病原菌図説」にはツバキに発生する Lophodermium 属菌として L. hysterioides (Pers.) Sacc. が挙げられている。
原攝祐の「菌類囈語(三)」(植物学雑誌 ; 27(1913), p. 124) に拠るものだと思われるが、「つばきノ葉ノ表面ニ生ズ」と記されているのみである。
L. hysterioides は L. foliicola の異名とされているがこの種は主にバラ科植物に生じ、子嚢胞子が 40-45 μm. 程度とあるから別種だろう。
[参考文献]
Ellis and Ellis (1997): Microfungi on land plants : an identification handbook. Enlarged ed.