Melastiza rubra
Melastiza rubra (Batra) Maas Geesteranus
ベニサラタケ属菌。10月18日撮影。
[特徴]
子嚢盤は歪んだ皿形、径 20 mm. 程度、子実層面はほぼ平滑、血赤色。
外面は明るい赤色、ほとんど平滑あるいはやや白粉状、
縁部は肉眼では暗褐色に縁どられた細かい顆粒状に見えるが、ルーペでは密な短い褐色の毛が確認できる。
柄は無く、中心で基質に固着する。やや硬い肉質。--
子嚢は円筒形、8胞子を一列に生じる。先端に蓋がありメルツァー試薬で呈色しない。270-320 × 12-13.7 μm. --
側糸は糸状、隔壁があり内容物は赤い顆粒状。径 2.2-3.0 μm.、少なくとも上半では分岐せず、先端は球状に膨らんで 8.3-9.2 μm. になる。--
子嚢胞子は楕円形、無色、薄壁、2つの油球を含むが、成熟した胞子では不明瞭になる。14.3-14.9 × 8.0-8.8 μm.、表面は粗い網目状突起に覆われる。
網目は径 2-3.5 μm. 程度の多角形、高さは 2-3 μm.、両端付近では 5 μm. 程度までになり、突起を含めた長径は 25 μm. に達する。--
托組織髄層は無色、径 8-14 μm. の絡み合い菌糸組織。
外皮層は厚さ 80-150 μm.、髄層との境界はやや不明瞭、径 55-65 × 30-45 μm. 程度のやや丸みを帯びた多角形細胞からなる。
外面の細胞からはほぼ無色の短い毛状菌糸がまばらに立ち上がる。縁付近の表面細胞からは褐色厚膜の毛状菌糸が生じ、時にやや密な束状になる。
少数の隔壁があり、表面は平滑、やや屈曲し先端は丸く僅かに膨らむ物が多い。50-120 × 8.5-14.5 μm.
[コメント]
カシ林内の路傍裸地にヒイロチャワンタケ等と共に発生していた物。
子嚢胞子の網目状突起が粗く高いのでベニサラタケ(Melastiza chateri、ただし M. cornubiensis のシノニムとする意見もある)ではなく M. rubra だと思う。
子嚢胞子はベニサラタケより一回り小さい。インドや中国での記録がある。
[参考文献]
Maas Geesteranus (1967): Studies in cup-fungi 1. (Persoonia ; 4, 417-425).
庄 主編 (2014): 中国真菌志. 第48巻. 火丝菌科.
[初掲載日: 2014.12.05]