Metacapnodium sp. no.1

Metacapnodium sp. no.1
メタカプノディウム属菌。9月11日撮影。
[特徴]
菌叢は生葉の表面側に生じ、黒色の乾いた綿くず状あるいはベルベット状に立ち上がる。主に葉脈の窪みに沿って幅 2-5 mm. 程度の不整長円形、後に融合して帯状に拡がる。--
菌糸は黒褐色、隔壁があり、頻繁に分岐し、成長方向の斜め前に向かって分枝を伸ばして樹枝状に拡がり、先端に向かって次第に細くなる。
やや厚膜、表面は疣状、隔壁部は括れて数珠状になり、各細胞は径 12-22 μm. の類球形ないし樽形、先端細胞は円錐形で先端は丸く、6-14.2 × 5.5-8 μm. --
細胞の側面には丸い壺状の分生子柄らしい構造がまばらに座生するが、分生子を観察できない。
[コメント]
イタドリ (Fallopia japonica) の葉に発生していたもの。
カプノディウム類は、アブラムシなどの昆虫の分泌液や、植物からの溢泌液を栄養源として腐生的に成長するすす病菌類だが、肉眼やルーペでは菌叢中や周辺にそれら(いわゆる甘露)の痕跡は確認できなかった。
完全世代も分生子も観察できていないが、菌糸の特徴から Metacapnodium 属の一種としておく。
[参考文献]
Hughes (1976): Sooty moulds. (Mycologia ; 68, p. 693-820).
Hughes (1981): New Zealand fungi 31. Capnobotrys, an anamorph of Metacapnodiaceae. (New Zealand journal of botany ; 19, p. 193-226).
[初掲載日: 2024.12.20] //
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