Microglossum longisporum
Microglossum longisporum Durand
ミミズタケ。7月19日撮影。
[特徴]
子実体は単生あるいは少数が群生する。棍棒状、高さ 1.5-4.5 cm.、子実層のある頭部と柄からなり、境界は明瞭。全体に軟肉質。
頭部は全長の 40-50 %程度で長楕円形、やや扁平なものが多く、径 3-7 mm.、時に縦溝があり、ニッケイ色。
柄は円柱状、中実、頭部よりやや淡色、表面はほとんど平滑あるいは僅かにささくれ状で湿時にはやや半透明のゼラチン状になる。--
子嚢は棍棒形、基部は急に細くなる。先端は肥厚し、頂孔はメルツァー試薬でやや広く青変する。8胞子(時に4あるいは6胞子)を生じる。130-172 × 13-16 μm. --
側糸は糸状、無色、まばらに隔壁があり径 1.5-2.0 μm.、先端は棍棒状や紡錘形に膨らんで 6 μm. までになり、屈曲する。先端細胞には比較的大きな油球が1個含まれることが多い。--
子嚢胞子は大小2型があり、普通は大型胞子は1子嚢中に2個(時に3個)、小型胞子は6個(時に2-5個)生じ、小型胞子は子嚢の先端付近に固まる。
大型胞子は円筒形、無色、平滑、まっすぐあるいはわずかに弓型、先端は丸く末端はやや細まり、71.0-94.4 × 4.6-6.0 μm.、内容物は一列の油球が目立つ。
小型胞子は長楕円形あるいはソーセージ形、無色、平滑、11-36 × 3.2-5.6 μm.、一列の油球が目立つが、ほとんど油球が見られない胞子もある。
どちらの子嚢胞子も少なくとも射出時には隔壁は認められない。--
柄表面は直径 2.5-6.0 μm. の無色の菌糸からなり、ゼラチン質に覆われる。
[コメント]
カシ林内の地上、コケ中に生じていた物。大小2型の子嚢胞子を生じるのが特徴。夏期に照葉樹林内で採集しているが、比較的珍しいように思う。
[参考文献]
Imai (1941): Geoglossaceae Japoniae. (Journal of the Faculty of Agriculture, Hokkaido Imperial University ; 45(4). p. 155-264).
Mains (1955): North American hyaline-spored species of the Geoglosseae. (Mycologia ; 47, p. 846-877).
[初掲載日: 2015.07.29]