Mniaecia? sp. no.1

Mniaecia sp. no.1

Mniaecia? sp. no.1
ムニアエキア属菌?。1月3日撮影。

[特徴]
藍藻上に群生する。子嚢盤は肉厚のクッション形、乳白色半透明、径 300-450 μm.、外面は平滑。基質にやや広く固着する。-- 子嚢は棍棒形、やや厚膜、先端は肥厚し、特に未熟子嚢では著しい。メルツァー試薬に呈色しない。8胞子をほぼ2列に生じる。97-150 × 17.0-22.9 μm. -- 側糸は糸状、径 1.5-2.0 μm.、隔壁があり基部付近では融合するものがある。全体が緩やかにカーブし、所々膨らんで 2.8-4.6 μm. になる。 ほぼ一様な無色の内容物がある。-- 子嚢胞子は楕円形ないし広卵形、無色、薄壁、平滑、内容物は細かな泡状。 成熟した子嚢胞子は中央に隔壁を生じて2細胞になり、両端から発芽管を伸ばす。12.9-14.9 × 8.0-9.2 μm. -- 托組織構造の詳細を確認できなかったが、無色薄壁の細胞からなる矩形菌組織と思われる。組織はかなり軟らかいがゼラチン化はしていないようである。

[コメント]
まばらにコケの生えた遊歩道の法面、パッチ状に広がる藍藻上に発生したもの。 藍藻は赤土上に薄膜状に生じていて、径 4.0-6.5 μm. の球形の単細胞が 50-100 μm. 程度の塊状に集まって透明の莢膜に包まれ、やや弾力がある。 菌糸は藍藻塊にまとわりついているが地衣体を形成している様には見えない。 藍藻上に生じる Mniaecia gloeocapsae (Boud.) Van Vooren (= Epiglia gloeocapsae Boud.) は子嚢胞子が 12-16 × 5-6 μm. だというから別種だろう。

[参考文献]
Boudier (1905-10): Icones mycologicæ, ou, Iconographie des champignons de France, principalement discomycètes. tome 4.
Van Vooren (2005): Catalogue des ascomycètes récoltés dans la Loire, 2e partie : Leotiomycetes, Orbiliomycetes et affines (discomycètes inoperculés). (Bulletin mensuel de la Société linneenne de Lyon ; 74, num. spéc., p. 5-32).

[初掲載日: 2016.02.01]