Mycocitrus phyllostachydis
Mycocitrus phyllostachydis (Sydow) Doi.
タケ類の小団子病菌。7月16日撮影。
[特徴]
子座はタケの枝先、主に分岐付近に発生する。枝を包むような塊状で初めは白色で表面は粉状、初夏頃に子嚢殻が形成されるに従い淡肉色から淡橙色になる。
直径 2-6 mm. で長さ 10 mm. 程度まで。比較的硬く、内部は灰色。古い子座は黒くなってミイラ状になる。--
子嚢殻はほぼ球形で表面に一層に並び先端はやや突出し、上半は柔組織状の組織に覆われ、淡オレンジ色。直径 145-190 μm. --
子嚢は棍棒形、薄壁、8胞子をほぼ一列に生じる。先端はやや肥厚するが顕著な構造は認められない。42-56 × 6.2-8.6 μm. --
子嚢胞子は楕円形、ほとんど無色で平滑、中央に隔壁があり2細胞。6.8-8.8 × 3.1-3.8 μm.
[コメント]
植栽されたホテイチク (Phyllostachys aurea) に発生していたもの。ホテイチクはマダケの変種とされることもある。
近年京都ではタケの天狗巣病が広がっているが、天狗巣になった枝先にも発生している。ただし発生量はあまり多くない。
黒くなった古い子座上に子嚢殻が散生しているものもある。
[参考文献]
Doi (1967): A revision of Hypocreales with cultural observation II. on Mycocitrus phyllostachydis (Syd.) Doi, a perfect state of Cephalosporium. (Bull. Natn. Sci. Mus. Tokyo ; 10(1), p. 31-36)
[初掲載: 2008.01.09]