Natantiella ligneola
Natantiella ligneola (Berk. & Br.) Réblová = Ceratostomella ampullasca (Cooke) Sacc.
ナタンティエラ リグネオラ。8月9日撮影。
[特徴]
子嚢殻は材中に埋生しフラスコ形。胴部はほぼ球形、黒色、直径 450-515 μm.、頚部は円柱形、ほぼまっすぐに長く伸びて材表面上に突出し、先端は丸い。
基部付近で径 80 μm. 程度、長さは500-800 μm. 程度、時に 1 mm. に達する。--
子嚢は多数、熟後は子嚢殻中に遊離する。薄壁、棍棒形(後に中央部が膨らんで便腹状)、基部は細くなって尾状になる。
先端はやや肥厚し、2個の点状に見える先端リングがある。メルツァー試薬に呈色しない。8胞子を不明瞭な2列に生じるが、後には塊状になる。60-71.5 × 8.5-15.2 μm. --
側糸は鞭状、無色、薄壁、隔壁がある。 --
子嚢胞子は長円形ないし楕円形、無色、薄壁、平滑、大きな2油球が目立つ。10.8-11.6 × 3.4-4.0 μm.
[コメント]
広葉樹(コナラ、クヌギなどの Quercus 属、カエデ類など)の軟らかく腐朽した材部にやや群生する。かなり普通種。
[参考文献]
Ellis and Ellis (1997): Microfungi on land plants : an identification handbook. Enlarged ed.
Réblová and Štěpánek (2009): New fungal genera, Tectonidula gen. nov. for Calosphaeria-like fungi with holoblastic-denticulate conidiogenesis and Natantiella gen. nov. for three species segregated from Ceratostomella. (Mycological research ; 113, p. 991-1002).
[初掲載日: 2015.08.25]