Neoerysiphe galeopsidis

Neoerysiphe galeopsidis

Neoerysiphe galeopsidis (DC.) U. Braun
ネオエリシフェ ガレオプシディス。3月21日撮影。

[特徴]
菌叢は葉の両面、茎などに白斑を生じ、永存性、厚い粉状、後にはほぼ全草を覆う。 菌糸は表在性、分岐と隔壁があり、径 4.5-6 μm.、付着器は側生、2-3個の低い突起がある拳状で幅 5.7-7.5 μm. -- 分生子柄は直立し、円柱形で上方に向かって僅かに幅広く、上半に1-2個の隔壁がある。 65-108 × 8.5-11.8 μm.、少数の分生子を鎖生する。-- 分生子は樽型(先端の分生子は楕円形)で無色、薄壁、平滑、フィブロシン体は見られない。30.8-35.8 × 17.0-22.9 μm. -- 完全世代は未観察。

[コメント]
オドリコソウ (Lamium album v. barbatum) に発生するうどんこ病菌。市街地でも普通で、春先から発生し、後にはほぼ全草が菌叢に被われる。子嚢の成熟は越冬後だという。

[別図2] 4月11日撮影。ホトケノザ (Lamium amplexicaule) に発生したもの。分生子柄は 65-85 × 9-11.5 μm.、分生子は 25.7-32.8 × 11.7-17.8 μm.、フィブロシン体は見られない。
ホトケノザにはキュウリに対して寄生性が認められている別種のうどんこ病菌も発生する。 その菌の分生子発芽管は Sphaerotheca fuliginea 型で、S. fusca の不完全世代とされた(内田 他, 2002)が、S. fusca は現在は複数種に細分され、 Podosphaera xanthii に該当する菌とされている。P. xanthii の分生子はフィブロシン体を有するので区別できる。

[参考文献]
Braun (1999): Some critical notes on the classification and the generic concept of the Erysiphaceae. (Schlechtendalia ; 4, p. 48-54).
内田 他 (2002): 平成14年度日本植物病理学会大会講演要旨 (122). ホトケノザうどんこ病菌の形態とキュウリに対する寄生性. (日本植物病理学会報 ; 68(2), p. 189).
大谷 (1988): 日本菌類誌. 第3巻、子のう菌類. 第2号、ホネタケ目・ユーロチウム目・ハチノスカビ目・ミクロアスクス目・オフィオストマキン目・ツチダンゴキン目・ウドンコキン目.
高松 (2012): 2012年に発行される新モノグラフにおけるうどんこ病菌分類体系改訂の概説. (三重大学大学院生物資源学研究科紀要 ; 38, p. 1-73).

[初掲載日: 2022.04.18] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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