Neolecta vitellina
Neolecta vitellina (Bres.) Korf & Rogers.
ヒメカンムリタケ。11月6日撮影。
[特徴]
地上に単生するが、共通の基部から数本が株立ち状になることもある。外見はナギナタタケ類に似て、棍棒形、槍形など。
普通は枝分かれしないが、時に枝分かれし、また扁平になり花弁状になる事もある。
高さ 1-3 cm.、子実層が形成される頭部は全体の 1/3 - 2/3 程度で黄色ないし山吹色、柄との境界は比較的明瞭。
柄はほとんど白色、中実で柔らかく、下半はやや根状になって地中に入ることが多い。--
子嚢は掌状に分かれた細胞から各々生じ、円筒形、先端はほとんど肥厚せず蓋は無い。熱 KOH 水溶液で処理した子嚢壁はメルツァー液で全体が薄く青変する。
8胞子を初め一列に生じるが後には上半は2列になる。5.2-7.0 × 60-105 μm. --
側糸は無い。--
子嚢胞子は楕円形ないし左右不対称な広紡錘形。無色薄壁だが胞子紋は淡黄色を呈する。6.5-8.2 × 3.4-4.6 μm.。球形の分生子 (直径約 2.0 μm.) を一端から出芽する。
[コメント]
晩秋にマツ林林床に散生する。肉眼的にはカンムリタケやテングノメシガイ類に似ているが類縁は離れていて、系統的にはタフリナ類に近い。
これに出会うと、今年のキノコシーズンも終わりに近づいたなと思う。
[別図2]
枝分かれしてやや扁平な子実体。11月24日撮影。
[参考文献]
Redhead (1977): The genus Neolecta (Neolectaceae fam. nov., Lecanorales, Ascomycetes) in Canada. (Canadian journal of botany ; 55, p. 301-306).
[最終更新日: 2012.11.30]