Orbilia sp. no.1
Orbilia sp. no.1
朽木に生じる小型のビョウタケ類。8月27日撮影。
[特徴]
子嚢盤はほとんど無柄、円盤状で全縁。全体薄いピンク色、半透明でロウのような感じである。直径 0.5-1.5 mm.
外面は平滑でほとんど同色。乾くと鈍いオレンジ色になる。
子嚢は円筒形、先端は平たく、基部は2叉してやや長く伸びる。
8胞子を生じるが、子嚢内での配列は見極めがたい。34.0-38.0 × 3.0-3.2 μm.
側糸は無色、基部で分岐し径 2 μm. 程度、先に行くに従いやや細くなるが先端は球状に膨らんで 3.2-4.0 μm. になる。
先端上部はやや厚膜に見える。
子嚢胞子は湾曲した円筒形、無色。一端は丸く、他端は次第に細くなりやや尖る。顕著な内容物は見られない。
両端を直線で測って 6.8-8.2 × 0.6-0.8 μm.
広葉樹の朽木樹皮上に群生していたもの。
Breitenbach and Kränzlin や Dennis の O. curvatispora, Spooner の O. auricolor に近い種類だと思う。
「日本のきのこ」(山と渓谷社)p. 549 の O. auricolor とはかなり様子が違うし、
「基部から放射状に白く短い菌子束を生じて固着する」ようには見えない。
また、胞子はかなり湾曲して半円状になるものも多く、上記図鑑類の図ともちょっと異なる。
[参考文献]
Breitenbach and Kränzlin (1984): Fungi of Switzerland. vol. 1.
Dennis (1981): British Ascomycetes. Rev. ed.
Spooner (1987): Helotiales of Australasia, Geoglossaceae, Orbiliaceae, Sclerotiniaceae, Hyaloscyphaceae. (Bibliotheca mycologica ; Bd. 116)