Orbilia sp. no.16
Orbilia sp. no.16
オルビリア属菌。6月10日撮影。
[特徴]
子嚢盤は少数がやや群生する。椀状から皿形に開き、径 1.2 mm. まで。
全体が半透明、子実層面は平滑でやや橙色を帯びた淡いピンク色、縁は浅い切れ込みが入り、高さ 40 μm.、幅 150 μm. 程度までの低い台形の鋸歯状になって小さく反り返る。
外面はほぼ平滑。無柄、あるいは柄はほとんど無く、やや広く基質に固着する。--
子嚢は円筒形、先端はやや平らになり、メルツァー試薬に呈色しない。下半は細くなって屈曲し、末端は大きく分岐してY字状になる。8胞子をほぼ2列に生じるように見える。31-34.5 × 3-3.5 μm. --
側糸は糸状、無色、基部付近には隔壁があり、分岐する。基部付近で径 2 μm. 程度、中ほどで径 1 μm. 程度、先端は丸く膨らんで径 2.5-3 μm. になり、ほぼ無色のヤニ状物が帽状に付着する。--
子嚢胞子は楕円形、無色、薄壁、平滑、一端に光屈折性の小さな内容物がある。2.2-2.8 × 0.8-1.0 μm. --
托組織髄層は径 6 μm. 程度の菌糸からなる絡み合い菌糸組織、外皮層は厚さ 40 μm. 程度まで、径 15-20 μm. の無色薄壁の丸みを帯びた多角形細胞からなり、
縁附近ではやや矩形状になり、ややゼラチン質様、互いに合着して伸び、反り返る。先端細胞は円筒形ないし棍棒形で先端は丸く、12-16 × 2.2-3 μm.。
子嚢盤基部付近の外面には径 3 μm. 程度までの菌糸が緩く絡み合った層があり、ゼラチン質に包まれる。
[コメント]
伐採された広葉樹(アラカシ?)の木口面に発生していたもの。Orbilia sp. no.11 としたものと同種かも知れない。
ほとんど無柄で、基部付近にゼラチン質に包まれた菌糸層が顕著なので区別しておく。Section Arthrobotrys あたりか。
[参考文献]
Baral et al. (2020): Monograph of Orbiliomycetes (Ascomycota) based on vital taxonomy. pt. I + II. National Museum of Natural History Luxembourg, 1752 pp.
[初掲載日: 2024.08.30] //
[サイトのトップへ] //
[掲載種一覧表へ]
All rights reserved. Copyrighted by Masanori Kutsuna, 2024.