? sp. no.8

Other sp. no.8

Dothideomycetes sp.
よくわからないドチデア類。5月8日撮影。

[特徴]
落葉裏面に薄い菌叢を作る。菌叢は黒褐色、径数ミリ程度の樹枝状に拡がって時に融合するが、葉の主脈や側脈を超えては拡がらない。 菌糸は表在性で植物組織内への侵入は認めにくく、褐色、厚膜、隔壁があり隔壁部はやや括れ、径 2.8-4.0 μm.。菌足らしき構造はみあたらない。-- 偽子嚢殻は洋梨状、基部は括れて短い柄になる。黒褐色、無毛平滑、孔口は短い乳頭状でやや不明瞭、径 40-45 μm.、高さ 50-63 μm.、表面は径 4-7 μm. 程度の褐色厚膜の多角形細胞からなる。多数の子嚢を生じる。-- 子嚢は棍棒状で短い柄があり、二重膜、メルツァー試薬に呈色しない。8胞子をほぼ2列に生じる。25.5-32 × 5.7-10 μm.、外膜は後に先端部で破れ、内膜がさらに 30 μm. 以上伸長する。-- 偽側糸は認められない。-- 子嚢胞子は長卵形、ほとんど無色あるいは僅かに黄色味を帯び、薄壁、平滑、ほぼ中央に隔壁があり2細胞、隔壁部は僅かに括れる。顕著な内容物は見られず、全体に薄い被膜がある。7.4-9.1 × 2.3-3.4 μm.

[コメント]
春、アベマキ (Quercus variabilis) の落葉に生じるもの。葉裏面に密生する小星状毛に埋もれたようになって生じる。 子嚢は、成熟すると先端が破れて内膜が伸長する二重膜構造なので、ドチデア類であることは間違いないが、その先に進めない。 ドチデア類の総説や検索表をいくつか当たってみたが、うまくあてはまる属にたどり着けない。いわゆるすす病 (sooty moulds) の仲間ではなさそう。

[別図2] 6月1日撮影。湿らせた状態。

[初掲載日: 2021.06.17] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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