Peroneutypa sp. no.1
Peroneutypa sp. no.1
ペロネウティパ属菌。8月24日撮影。
[特徴]
落枝に発生する。子嚢殻は5-15個が群生、樹皮下に埋没して形成される。
やや扁平な球形、黒色、径 280-350 μm.、上部に長い円筒形の頸がある。
頸部は黒色、集合して樹皮を破って伸び、散開する。表面は凹凸があり時にややややリング状、径 110-140 μm.、高さ 250-800 μm. 程度突出する。--
子嚢は子嚢殻内で遊離充満し、棍棒形、無色、薄壁、先端は丸く、ほとんど肥厚せず、小さなメルツァー試薬に呈色しないリング状の構造がある。基部は短い尾状になる。
8胞子を塊状に生じる。14.5-17.8 × 4.2-5.2 μm. --
明瞭な側糸様の細胞は観察できない。--
子嚢胞子はソーセージ形、ほぼ無色、薄壁、平滑、両端付近に微小な油球状の内容物がある。3.0-4.2 × 1.0-1.4 μm.
[コメント]
広葉樹の落枝上に発生していたもの。夏から秋頃、様々な樹種の落枝に発生しているのをよく見る。
海外の図鑑に掲載されている Peroneutypa scoparia (Schwein.: Fr.) Carmarán & A.I. Romero は特徴が近いと思う。
Rappaz (1987) は Eutypella scoparia (Schwein.: Fr.) Ellis & Everh. の学名を採用しているが、
三宅 (1916) が報告した Peroneutypa heteracantha (Sacc.) Berl. と、函館産の標本を基に記載された Eutypella scoparioides Pat. は、共に E. scoparia のシノニムとされている。
[参考文献]
Carmarán et al. (2006): An approach towards a new phylogenetic classification in Diatrypaceae. (Fungal diversity ; 23, p. 67-87).
Rappaz (1987): Taxonomie et nomenclature des Diatrypacées à asques octosporés. (Mycologia Helvetica ; 2(3), p. 285-648).
Shang et al. (2018): Morpho-molecular characterization of Peroneutypa (Diatrypaceae, Xylariales) with two novel species from Thailand. (Phytotaxa ; 356(1), p. 1-18).
三宅 (1916): 桑ノ菌類ニ就テ. (蠶業試驗場報告 ; 1(5), p. 301-361).
[初掲載日: 2024.02.29] //
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