Pezicula sp. no.1
Pezicula sp. no.1
樹皮のついた倒木に群生するビョウタケ類。5月5日撮影。
[特徴]
子嚢盤は倒木上に群生する。数個が房状に固まり樹皮の裂け目に沿って列状になる事も多い。
倒円錐形ないし短柄のあるクッション形で直径 0.5-1.5 mm. 子実層面は淡い橙色で表面はやや粉状に見える。
子嚢は棍棒形で 8胞子をほぼ二列に生じる。頂孔は I+ (やや広く染まる)。112-143 × 18.0-20.6 μm.
側糸は糸状、径 2.5 μm. 程度で先は膨らんで 5.2 μm. までになる。隔壁有り、先端付近には泡状の内容物がある。
子嚢胞子は長楕円形ないしソーセージ形。無色薄壁で内容は泡状。22.0-28.6 × 8.3-9.2 μm.
Pezicula 属の菌は種々の倒木に発生しているが、倒木の種類がよくわからないことが多く、種名がわかりづらい。
子嚢胞子には隔壁が見られなかったが、写真の倒木はカエデ類のようなので Pezicula acericola (Peck) Sacc. ではないかと思う。
[参考文献]
Breitenbach and Kränzlin(1984): Fungi of Switzerland. vol. 1. Ascomycetes.