Peziza celtica?

Peziza celtica

Peziza celtica (Boud.) Moser?
5月5日撮影。

[特徴]
子嚢盤は初め半球形、後には浅い椀状からほとんど平らに開く。直径 1-3 cm. で比較的肉厚で質は脆い。 子実層面は初めは紫色を帯びた小豆色でつやがあるがやがて退色し、くすんだ薄い藤色になる。 外面はほとんど平滑か微粉状でスリガラスのようなやや透明感のある乳白色。ほとんど無柄もしくは短い柄がある。-- 子嚢は円筒形、8胞子を一列に生じ、先端はメルツァー液で青変する。260-340 × 12.8-16.4 μm. -- 側糸は糸状、径 2.5-3.0 μm. 隔壁あり。先端は膨らんで 8.0 μm. までになり、褐色の油球状内容物を含む。-- 子嚢胞子は楕円形で無色、二つの油球を含むが成熟した胞子ではやや不明瞭。表面には細かな疣状突起があり、突起を除いて 16.3-19.0 × 8.2-9.8 μm.、 疣は高さ 0.5 μm. までで鈍頭、短径片面に 10-12 個程度ある。-- 托組織はほぼ一様で 90 μm. までになる球形細胞が目立ち、その間をソーセージ形の菌糸が埋めている。

[コメント]
春に比較的普通に見られ、Breitenbach and Kränzlin 等の図鑑の P. celtica の特徴とよく一致すると思うが Boudier の Icones mycologicae, no. 289 の図とはずいぶん違うように見える。

[別図2] やや未熟なもの。5月14日撮影。
[別図3] 成長して子実層面がやや退色したもの。5月14日撮影。

[参考文献]
Breitenbach and Kränzlin (1984): Fungi of Switzerland. v. 1. Ascomycetes.
Hansen and Knudsen (2000): Nordic macromycetes. v. 1. Ascomycetes.

[初掲載日: 2004.07.04, 最終更新日: 2005.05.19]