Peziza sp. no.20
Peziza sp. no.20.
朽木生のチャワンタケ属菌。4月9日撮影。
[特徴]
朽木上に発生する。子嚢盤はやや肉厚の皿状、径 10-15 mm.、子実層面は淡あずき色、平滑。縁はほぼ全縁、外面は平滑で淡色。
柄は無く、中心でやや広く基質に固着する。全体に脆い肉質で、乳液や変色性は見られない。--
子嚢は円筒形、有蓋、薄壁、先端はメルツァー試薬で青変する。8胞子を一列に生じる。194-225 × 11.1-12.0 μm. --
側糸は糸状、径 2.5-3.5 μm.、隔壁があり、先端は棍棒状に膨らんで 6.3 μm. までになり、時に緩く折れ曲がる。内容物はほとんど無色。--
子嚢胞子は楕円形、無色、平滑(過熟した子嚢胞子は僅かに粗面に見える)、顕著な内容物は見られない。14.9-15.2 × 7.4-8.0 μm. --
托組織には層構造がみられる。子実下層は絡み合い菌糸組織、
その次に 60-100 × 40-60 μm. に達する細胞からなる円形菌糸組織があり、細胞間を径 10 μm. 程度のソーセージ形菌糸が走る。
次に厚さ 50 μm. 程度の絡み合い菌糸組織があり、境界はかなり明瞭。構成菌糸はやや平行に走り、径 6-10 μm.。
次にやや径 40-80 μm. のやや角ばった細胞からなる円形菌糸組織がある。細胞は外面に向かうにつれて小さく密になり、
最外部では径 15 μm. 程度の多角菌糸組織状になるが、境界は不明瞭。最外層の細胞からは径 6-9 μm. の短い無色の毛状菌糸がまばらに立ち上がる。
[コメント]
コナラと思われる朽木の材部に発生していた物。
[初掲載日: 2016.06.10]