Peziza sp. no.3
Peziza sp. no.3
春から初夏にシイ林内の地上に生える中型のチャワンタケ。6月19日撮影。
[特徴]
子嚢盤は散生、浅い椀状で成熟するとやや平らに開くが縁は内側に巻いていることが多い。
子実層面は平滑で栗褐色ないしチョコレート色。外面は淡色、糠状の鱗片がある。ほとんど無柄。直径 2-4 cm.
子嚢は円筒形、8胞子を一列に生じる。先端は I+。240-320 × 11.0-14.5 μm.
側糸は糸状、隔壁がある。径 2.8-4.0 μm. 先端はしだいに膨らんで 7.0 μm. までになる。内容は泡状。
子嚢胞子は広楕円形、2 油球を含み、成熟すれば黄褐色になり大きな疣状突起がある。(疣を除いて) 12.8-16.6 × 8.3-10.5 μm.
突起はコットンブルーによく染まり、やや縦長の不定形、時に不完全な網目状になり、高さ 2.0 μm. 程度まで。
シイ林でよく見かけるがコナラ林でも見つかる。
千葉のシイ林から報告されている Peziza rifaii に比べて胞子がちょっと幅広いようだが、それに近い種類だと思う。
[参考文献]
Nagao and Fukiharu (2000): Enumeration of the genus Peziza in Japan: Peziza limnaea and Peziza rifaii. Mycoscience ; 41. p. 269-273
Moravec and Spooner (1988): Peziza vacinii (Pezizales), with notes on taxonomy of related brown-spored species. Trans. Br. mycol. Soc. ; 90(1), p. 43-48
Rifai (1968): The Australasian Pezizales in the herbarium of the Royal Botanic Gardens Kew