Peziza sp. no.6
Peziza sp. no.6
焚火跡の炭上に生じる小型のチャワンタケ。5月14日撮影。
[特徴]
子嚢盤は椀形から浅い皿形に開く。直径 6-12 mm. 子実層面は淡い茶褐色からベージュ色。
外面もほぼ同色の地に濃色のフケ状の鱗片があり縁部はやや鋸歯状になる。ほぼ無柄か太く短い柄がある。
子嚢は円筒形、8胞子を一列に生じる。先端は I+。300-336 × 16.5-18.6 μm.
側糸は糸状、隔壁があり径 3.0 μm. 程度。先端は緩やかに膨らんで 6.0-8.0 μm. になり無色の油球状内容物がある。
まっすぐ、ないしは少し「く」の字に曲がる事がある。
子嚢胞子は長楕円形で平滑、無色薄壁で油球などの目立った内容物は見られない。22.4-22.9 × 10.2-11.2 μm.
射出された胞子の片側には無色球形の粘性付属物がある。
托組織はほぼ一様で 90 μm. までになる球状の細胞が目立つ。
焚火跡に群生していたもの。焚火の時期はわからないが何度も繰り返して焚かれた場所のように思われる。
焚火跡に生える平滑な胞子を持つ Peziza 属として P. sepiatra Cooke が各種の図鑑に掲載されている。
図を見ると比較的似ているが、色は "blackish brown" 等と表現されており、胞子も若干違うようだ。
[参考文献]
Breitenbach and Kränzlin (1984): Fungi of Switzerland. vol. 1.
Ellis and Ellis (1998): Microfungi on miscellaneous substrates. Enlarged ed.
Hansen and Knudsen (2000): Nordic macromycetes. v. 1. Ascomycetes