Pezoloma? sp. no.2

Pezoloma sp. no.2

Pezoloma? sp. no.2
ペゾロマ属菌?。4月28日撮影。

[特徴]
落葉上に散生する。子実体は初めは球状、のち倒円錐形から肉厚の皿形に開き、径 2.5 mm. 程度まで。全体が半透明状で淡ライラック色を帯び、肉質は軟らかく、ややゼラチン質。 子実層面は平滑、縁は全縁、外面はほぼ平滑。柄は殆んど無く、基質にやや広く固着する。-- 子嚢は細棍棒状、薄壁、先端は肥厚し、頂孔はメルツァー試薬で赤褐色を呈する。基部にはかぎ形構造がある。8胞子をほぼ2列に生じる。91-120 × 11.5-13.7 μm. -- 側糸は糸状、隔壁があり、無色、上半は緩やかに屈曲するものが多い。径 2.0-2.5 μm. -- 子嚢胞子は楕円ないし広紡錘形、時にやや左右不対称、無色、薄壁、平滑、両端付近に細かい泡状の内容物がある。14.2-16.6 × 5.4-6.3 μm. -- 托組織髄層は丸みを帯びた径 30 μm. 程度までの無色薄壁の細胞が目立つ。 托外皮層は2層からなり、内側は径 5-12 μm. のやや平行に走る膨らんだ細胞からなり、髄層との境界はやや不明瞭。 縁部は 10-20 × 4.2-5.4 μm. の棍棒状の細胞からなり、薄くゼラチン質に包まれる。 外側はゼラチン質に包まれた疎な絡み合い菌組織で、縁部では薄く、子実体基部に向かって厚くなり、最大 200 μm. まで。 無色薄壁、径 2.5-4.0 μm. の菌糸からなる。隔壁は基部付近に多く、分岐は少ない。先端に向かって細くなり、先端は丸い。

[コメント]
小さな流水脇の濡れた落葉に発生していたもの。落葉は薄く、両面にまばらな星状毛があるので、おそらくウツギ (Deutzia crenata) と思われる。 子実体は僅かにライラック色を帯び、軟らかで透明感がある。ゼラチン質層は托外皮層の表層部分に限られるので Neobulgaria 属ではないだろう。 子嚢頂孔が偽アミロイド反応を示す特徴などから Pezoloma 類か。

[初掲載日: 2022.08.31] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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