Phialina lachnobrachyoides
Phialina lachnobrachyoides (Raitviir) Huhtinen
フィアリナ ラクノブラキオイデス。9月20日撮影。
[特徴]
落葉にやや群生する。子嚢盤は皿形、乳白色で後にはやや黄色味を帯び、径 0.5 mm. 程度まで。
外面も同色、ルーペ下では微毛状で縁部では顕著、柄はほとんど無く基質に固着し、基部は淡褐色を帯びる。--
子嚢は棍棒形、先端は肥厚し頂孔はメルツァー試薬で青変する。基部にはかぎ形構造がある。8胞子をほぼ2列に生じる。42-46 × 6.2-7.4 μm. --
側糸は糸状、下方で径 2-2.5 μm.、上部はやや太くなって 3.5 μm. まで、基部付近に隔壁があり、上半には淡黄色の一様な内容物がある。--
子嚢胞子は両端の丸い細紡錘形、やや左右不対称でわずかに弓型、無色、薄壁、平滑、細かい油球状内容物があり、両端付近に多い。14-16 × 1.8-2 μm. --
托組織の詳細は観察できなかった。表面は無色でやや厚膜の 12 × 6 μm. までの矩形細胞からなる。縁部の細胞は 10-12 × 4-4.5 μm.、淡黄色の内容物がある。
托外面には毛状細胞がまばらにあり、縁付近に多く、薄壁、平滑、下半に少数の隔壁があり、基部で径 3-4 μm.、上半は細く鞭状に伸びて 35 μm. までになり、分岐は見られない。
下半の細胞には淡黄色の内容物がある。
[コメント]
アラカシ (Quercus glauca) の落葉裏面に発生していたもの。
文献では寄主としてシナノキ属 (Tilia)、トチノキ属 (Aesculus)、カバノキ属 (Betula)、クマシデ属 (Carpinus)、ブナ属 (Fagus) が挙げられている。
日本を含めた極東アジアから記録がある。
[参考文献]
Huhtinen (1990): A monograph of Hyaloscypha and allied genera. (Karstenia ; 29. p. 45-252).
Raitviir (1977): Новый род гиалосцифовых грибов. (Folia cryptogamica Estonica ; 8, p. 1-3).
Raitviir (2004): Revised synopsis of the Hyaloscyphaceae. (Scripta mycologica ; 20).
[初掲載日: 2021.10.08] //
[サイトのトップへ] //
[掲載種一覧表へ]
All rights reserved. Copyrighted by Masanori Kutsuna, 2021.