Phyllactinia alni
Phyllactinia alni Y.N. Yu & S.J. Han
ハンノキうどんこ病菌。12月12日撮影。
[特徴]
菌叢は葉の裏面に生じ、やや消失性。裂子嚢殻は散生し、扁球形、黒褐色、径 170-220 μm.、高さ 120 μm. 程度。裂子嚢殻表面の細胞は多角形、褐色、厚膜、径 8-15 μm. 程度。
裂子嚢殻側面に付属糸を生じる。附属糸は12本程度まで、針状、無色、厚膜、直線的で放射状に拡がる。隔壁は認められない。
長さ 200-340 μm.、基部は球状に膨らんで径 30-40 μm.、中ほどで径 6.3-8.6 μm. 程度、先端に向かって細く薄壁になる。
裂子嚢殻上部には円筒状の柄部と、枝分かれした頭部からなる筆状細胞が密生する。
柄部はやや厚膜、基部はやや膨らんで時に褐色を帯びるが、それ以外は無色、22-50 × 9-12 μm.。
頭部は20本程度に枝分かれして箒状に拡がり、長さ 11-30 μm.、径 1.5-2.0 μm.、先端は球状あるいは棍棒状に膨らんで径 4-6 μm. になる。
子嚢殻中の子嚢の正確な数を数えられなかったが、20個程度と思われる。--
子嚢は不正卵形あるいは楕円形、比較的厚膜、短い柄がある。普通は2個の子嚢胞子を生じる。70-80 × 34-40 μm. --
子嚢胞子は長円形、平滑、内容は泡状。37.0-44.3 × 17.7-22.9 μm.
[コメント]
秋頃、ハンノキ (Alnus japonica) の葉の裏面に生じる。
Phyllactinia guttata (Wallr.: Fr.) Lév. の学名が当てられていたが、ハシバミ属に発生する菌以外は別種として細分されている。
[参考文献]
大谷 (1988): 日本菌類誌. 第3巻、子のう菌類. 第2号、ホネタケ目・ユーロチウム目・ハチノスカビ目・ミクロアスクス目・オフィオストマキン目・ツチダンゴキン目・ウドンコキン目.
高松 (2012): 2012年に発行される新モノグラフにおけるうどんこ病菌分類体系改訂の概説. (三重大学大学院生物資源学研究科紀要 ; 38, p. 1-73).
[初掲載日: 2021.01.26] //
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