Plagiostoma sp. no.1

Plagiostoma sp. no.1

Plagiostoma sp. no.1
プラギオストマ属菌。4月25日撮影。

[特徴]
子嚢殻は落葉葉柄上に散生ないしやや群生する。 表皮下に生じ、葉脈軸に沿ってやや楕円形の饅頭形、黒色、340-450 × 200-250 μm.、表面は径 5-15 μm. 程度の多角形黒褐色の細胞からなる。 子嚢殻上部に表皮を突き破って伸びる長い頚部があり、偏心生あるいはほぼ側生、黒色剛毛状、やや屈曲し、長さ 350-450 μm.、基部付近で径 60 μm.、先端付近で径 40 μm. 程度。子嚢殻中に多数の子嚢が遊離充満する。-- 子嚢は広紡錘形、薄壁、先端はやや肥厚して乳頭状、小さな先端リングがあり、メルツァー試薬に呈色しない。基部は細く伸びて尾状になる。8胞子を不規則な束状に生じる。37-45 × 8.2-9.4 μm. -- 子嚢胞子は紡錘形、やや左右不対称あるいは弓形に曲がり、無色、薄壁、平滑、ほぼ中央に隔壁があり2細胞、各細胞の両極付近に小さな油球があり、12-14.5 × 1.7-2.0 μm.、両端に鞭状で長さ 1-1.5 μm. の付属糸がある。

[コメント]
アカメガシワ (Mallotus japonicus) の落葉葉柄上に発生していたもの。 子嚢殻頚部が中央から外れて生じることや、寄主のアカメガシワが Sogonov et al. (2008) の Table 2 で Plagiostoma 属の寄主として挙げられているトウダイグサ科 (Euphorbiaceae) であることから Plagiostoma 属菌と同定しておく。

[参考文献]
Mejía et al. (2011): A systematic account of the genus Plagiostoma (Gnomoniaceae, Diaporthales) based on morphology, host-associations, and a four-gene phylogeny. (Studies in mycology ; 68, p. 211-235).
Monod (1983): Monographie taxonomique des Gnomoniaceae. (Beihefte zur Sydowia ; 9).
Sogonov et al. (2008): Leaf-inhabiting genera of the Gnomoniaceae, Diaporthales. (Studies in mycology ; 62, p. 1-79).

[初掲載日: 2024.07.15] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
All rights reserved. Copyrighted by Masanori Kutsuna, 2024.