Podosphaera intermedia
Podosphaera intermedia (Braun) Braun & Takamatsu
クサギうどんこ病菌。11月15日撮影。
[特徴]
菌叢は葉の表面に生じて不規則な白斑状に拡がり、永存性。分生子柄を生じ、裂子嚢殻が散生する。--
分生子柄は直立し、円柱形、100-130 × 11-13 μm.、分生子を少数鎖生する。--
分生子は楕円形、無色、薄壁、平滑、フィブロシン体を含む。 28.5-38.6 × 19-20 μm. --
裂子嚢殻は扁球形、初め黄褐色から後に黒色、径 77-92 μm.、径 15-30 μm. の黒褐色厚膜の細胞からなる。
各細胞はやや盛り上がり、全体でややキイチゴ状になる。数本の附属糸を生じる。
附属糸は菌糸状、基部付近は褐色、厚膜、ほとんど平滑、隔壁があり、不規則に屈曲し時に短枝状に分岐して折れ曲がる。長さ 30-150 μm.、基部付近で径 7-8.5 μm.、先端付近で径 3-5 μm.、先端は丸い。
一個の子嚢を生じる。--
子嚢は亜球形ないし卵形、厚膜、ほとんど無柄、54-63 × 51-57 μm.、6-8個の子嚢胞子を生じる。--
子嚢胞子は広楕円形、淡黄色、薄壁、平滑、17.7-20.2 × 12-14.4 μm.
[コメント]
クサギ (Clerodendrum trichotomum) の葉表面に発生していたもの。夏から秋にかけて普通に見られる。子嚢殻は小型で目立たない。
[参考文献]
Braun and Takamatsu (2000): Phylogeny of Erysiphe, Microsphaera, Uncinula (Erysipheae) and Cystotheca, Podosphaera, Sphaerotheca (Cystotheceae) inferred from rDNA ITS sequences - some taxonomic consequences. (Schlechtendalia ; 4, p. 1-33).
Homma (1937): Erysiphaceae of Japan. (Journal of the Faculty of Agriculture, Hokkaido Imperial University ; 38(3), p. 183-461 + plates IV-XI).
大谷 (1988): 日本菌類誌. 第3巻 子のう菌類. 第2号 ホネタケ目・ユーロチウム目・ハチノスカビ目・ミクロアスクス目・オフィオストマキン目・ツチダンゴキン目・ウドンコキン目.
高松 (2012): 2012年に発行される新モノグラフにおけるうどんこ病菌分類体系改訂の概説. (三重大学大学院生物資源学研究科紀要 ; 38, p. 1-73).
[初掲載日: 2022.03.02] //
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