Podosphaera leucotricha

Podosphaera leucotricha

Podosphaera leucotricha (Ellis & Everhart) E.S. Salmon
カナメモチうどんこ病菌。5月17日撮影。

[特徴]
春から初夏頃、展開した新葉に発生する。菌叢は主に新葉の両面に生じ、全面に拡がり白粉状、後には葉柄から茎にも拡がる。侵された葉は萎縮して変形するものが多い。-- 菌糸は永存性、無色、隔壁があり、径 3-5.2 μm.、付着器はまばらに側生し、低い乳頭状、径 3.4-4 μm. -- 分生子柄は菌糸から直立し、円柱状、1-2個の隔壁があり、84-100 × 6.2-8.8 μm.、柄足細胞は 長さ 37-68 μm.、分生子を鎖生する。-- 分生子は楕円形、無色、薄壁、平滑、大型の液胞があり、フィブロシン体を含む。24.3-31.5 × 12-17.2 μm. -- 完全世代は未観察。

[コメント]
公園に植栽されたカナメモチ類(オオカナメモチ、Photinia serratifolia か)に発生していたもの。人家の生垣などのカナメモチ類にも発生する。 不完全世代は Fibroidium 属の特徴を示すから、Podosphaera 属菌だろう。 前野ら (2014) がカナメモチ類から記録した Podosphaera leucotricha の特徴と良く一致するので、この学名を当てておく。

[参考文献]
前野ら (2014): カナメモチ類に発生するうどんこ病菌の所属およびリンゴうどんこ病菌との異同. (日本植物病理学会報 ; 80(1), p. 22).

[初掲載日: 2025.09.05] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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