Propolis sp. no.1
Propolis sp. no.1.
プロポリス属菌。5月14日撮影。
[特徴]
子実体は最初は樹皮下に発達し、成熟すると樹皮を破って子実層が表面に現れる。
不正円型ないし楕円形、直径 1-3 mm.、子実層はやや盛り上がり、明るい灰色で表面は白粉状。
破れた樹皮は裂片となって反り返り周囲に残るが、その内側の面も白粉状になる。--
子嚢は棍棒状、先端は僅かに肥厚し、メルツァー試薬に呈色しない。8胞子をほぼ一列に生じる。160-170 × 18.0-22.8 μm. --
側糸は糸状、径 1.0-2.0 μm.、無色、上半には分岐があり、不規則に曲がりくねる。先端には無色の不定形結晶状の物質が付着し、互いに合着する。--
子嚢胞子は楕円形、やや左右不対称で時に豆状、無色、平滑、内容は泡状で、メルツァー試薬で赤褐色になる(特に未熟時)、26.5-27.2 × 11.4-11.8 μm.
[コメント]
ヒノキ植林地沿いのカシ林内地上の落枝に発生していた物。落枝の種類は分からない。
日本産としてクチキマダラチャワンタケ P. versicolor(P. farinosa のシノニムとされる)が知られているが、
図鑑類に拠ると子嚢胞子の短径は 8 μm. 程度までの様なので、
(Breitenbach and Kränzlin; 5-6 μm., Chlebická; 5.5-8.0 μm., Dennis; 6-8 μm., Ellis and Ellis; 6-7 μm.) 別種だろう。
子嚢胞子の大きさは Propolis leonis (Tul.) Rehm が近い。
[参考文献]
Chlebická (2014): Propolis rhodoleuca (Leotiomycetes, inc. sed.) compared with P. farinosa, P. occulta sp. nov. and P. strobilina. (Nova Hedwigia ; 98(3-4), p. 491-506)
[初掲載日: 2014.07.24]