Protomyces inouyei

Protomyces inouyei

Protomyces inouyei Henn.
オニタビラコの浮腫病菌。4月28日撮影。

[特徴]
オニタビラコ (Youngia japonica) の花梗に浮腫を生じる。 浮腫は普通は花梗の主に上部に形成され、正常な花梗の数倍程度、直径 7 mm. 程度までに膨らみ長さは 5-6 cm. 程度まで。 花梗は不規則に屈曲し、表面はやや粗造でつやがあり、時にひび割れる。組織は硬いが後には褐変して萎びる。 浮腫組織中には厚膜胞子が不規則に散在し、菌糸は認めにくい。-- 厚膜胞子は球形ないし亜球形で無色、表面はほぼ平滑。直径 34-48 μm.、膜は複層で 5 μm. 程度になる。内容は泡状。

[コメント]
春にオニタビラコに発生する。比較的普通種で市街地の路傍や公園の植え込みなどでも発生している。 厚膜胞子は低温処理によって発芽し子嚢を形成するという。

[別図2] 浮腫は普通は花梗の上部に発生するが、時に茎の基部付近に生じる事もある。菌に侵されても花は正常に開花し結実するようだ。5月17日撮影。

[参考文献]
伊藤 (1964): 日本菌類誌. 第三巻, 第一号.

[初掲載日: 2006.07.24; 最終更新日: 2014.05.20]