Pseudoidium sp. no.1
マツバウンランのうどんこ病菌。６月２０日撮影。

[特徴]
葉の全面や茎上に菌叢が薄く拡がる。菌叢は永存性で白色粉状。菌糸は径 4.5-6.0 μm.、付着器は普通は対生し、先端は比較的深く２あるいは３裂する拳形で径 5.0-8.8 μm. -- 分生子柄は直立し、円柱形、基部と中央付近に隔壁があり、48-86 × 8.5-9.5 μm.、分生子を単生する。-- 分生子は楕円形、無色、薄壁、平滑、フィブロシン体は認められない。 32.8-48.6 × 16.5-20.0 μm. -- 完全世代は未確認。

[コメント]
路傍のマツバウンラン (Nuttallanthus canadensis) に発生していたもの。 分生子は単生、フィブロシン体を含まない、等の特徴から、Pseudoidium（完全世代は Erysiphe）に属するものだろう。 佐藤ら (2010) によってマツバウンランから記録された Oidium 属 Reticuloidium 亜属とされるうどんこ病菌（完全世代は Golovinomyces）は分生子を鎖生するので別種と思われる。 完全世代を確認できず、手持ちの文献には該当しそうな種が見当たらないので Pseudoidium の一種としておく。

[参考文献]
佐藤ら (2010): 平成２２年度日本植物病理学会大会講演要旨. 口頭発表 (14) Oidium 属 Reticuloidium 亜属菌によるマツバウンランうどんこ病（新称）の新発生. (日本植物病理学会報 ; 76(3), p. 156).

[初掲載日: 2022.10.20] // [サイトのトップへ] // [掲載種一覧表へ]
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