Pulvinula sp. no.1

Pulvinula sp.

Pulvinula sp. no.1.
広葉樹林の地上に群生する小型のチャワンタケ。6月12日撮影。

[特徴]
子嚢盤は浅い皿状からほとんど平盤状、子実層面はやまぶき色からややオレンジ色を帯びたサーモン色。 縁は全縁、外面に平滑で毛は無く、ルーペ下ではやや白粉状に見える。直径 3-6 mm.。柄は無く、基部中央でやや広く基質に固着する。-- 子嚢は円筒形、8胞子を一列に生じる。薄壁でメルツァー液に呈色しない。基部はやや細くなり、末端は大きく二股に分かれる。197-260 × 14.0-17.6 μm. -- 側糸は糸状、隔壁があり上方で分岐するものがある。径 1.5-2.0 μm. 程度、先端は丸くカールし、ほとんど膨らまないかわずかに膨らみ黄橙色の顆粒状色素を含む。-- 子嚢胞子は球形、平滑で無色、やや厚膜に見える。内容は比較的大型な油球が泡状に含まれる。直径 13.1-14.9 μm. -- 托組織髄層は直径 3 μm. 程度の絡み合い菌組織、外被層は最大径 20 μm. 程度の角ばった球形の細胞からなる。 表面からは長さ 20 μm. 程度の毛状菌糸がまばらに立ち上がる。

[コメント]
腐食質の多い地上に群生する。子実層面の色は、群生しているものの中でも黄色みの強いものから赤みの強いものまで変異がある。 肉眼的にも顕微鏡的にもほとんど区別できないものが広葉樹の朽木上にも発生するが、Pulvinula 属は普通は朽木上には発生しないようだ。

[別図2] 朽木上(おそらく広葉樹)に発生したもの。8月5日撮影。

[初掲載: 2004.06.26; 最終更新: 2008.08.13]